海外の取引先・海外在住者とのNDA:準拠法・言語・紛争解決の場と、技術情報の越境

海外の相手とのNDAでは、秘密情報の中身は国内と変わりません。変わるのは、書面の外側と、情報が国境を越えるときの手続です。

トップページ › 海外の取引先・海外在住者とのNDA:準拠法・言語・紛争解決の場と、技術情報の越境
海外の協力者に設計図を送ってから、技術の提供として許可が要る場合に当たるかを確かめていなかったと気づく。送る前の手順をNDAに書いていないと、起こり得ることです。

このページの要点

  • 書面の外側は四つ。準拠法、言語(正文)、紛争解決の場、情報の越境。事業者どうしのNDAなら日本法を選べ、日本語を正文とし、相手向けには参考訳を付ける。
  • 紛争解決は、日本の裁判所の専属管轄(民事訴訟法3条の7)か仲裁(仲裁法)か。分かれ目は、勝ったあとにどこで執行するか。緊急の差止めは裁判所に残す例外を書く。
  • 通知は方法ごとに効力の発生時点を決め、期限は日本時間・日本の営業日で書く。海外にいる相手への訴状の送達は、契約では確実にできない。
  • 技術情報を海外の相手に渡す前に、出す側が外為法の許可の要否を確認する手順を条文にする。国外への持出し・国外サーバへの保存は、事前の承諾にかからせる。

結論:海外の相手とのNDAは、「どの国の法で・どの言語を正文に・どこで争うか」と、「渡す情報が国境を越えて問題にならないか」を先に決める

海外に住む運営者や講師、海外の外注先、外資系の取引先とNDAを結ぶとき、秘密情報の定義や存続期間といった中身の論点は、国内の相手と変わりません。変わるのは、書面の外側です。次の四つを、条文を書く前に決めておきます。

  1. 準拠法:契約の成立や効力を、どの国の法律で判断するか。
  2. 言語:日本語と他の言語の書面が並ぶとき、どちらを正文とするか。
  3. 紛争解決の場:日本の裁判所に専属させるか、仲裁にするか。
  4. 情報の越境:渡す情報が技術の提供として規制を受けないか、個人データを国外に出すことにならないか。

アトラス行政書士法人が作成・レビューしてきた書類の中には、この四つのうち前の三つを実際に決めた例が三種類あります。

海外の相手方が出てくる書類での、三つの決め方

書類準拠法・言語紛争解決その他の特徴
海外在住の運営者が外部講師と結ぶNDA日本法に準拠し、日本語を正文とする日本の地方裁判所を第一審の専属的合意管轄とする電子契約で締結し、締結日は双方の電子署名が完了した日とする。他の契約に秘密保持の定めがあるときは、重ねて適用し、抵触するときは保護に厚い定めを優先する
外資系の日本法人が結ぶ相互NDA日本法に準拠し、国際私法の選択規定は適用しない。日本語を正文とし、翻訳版があっても解釈は日本語の原本による日本の地方裁判所を専属的合意管轄とし、保全の申立ても含める差止命令や保全措置を第三国で講じる必要があるときは、その国の裁判所に直接請求できる。存続は開示日又は終了日から10年のいずれか遅い日
外資系のコンサルティング会社と大企業の基本契約(交渉後の修正版)日本法に準拠し、国際私法の選択規定は適用しない段階的な協議のあと、日本商事仲裁協会の規則による仲裁(仲裁人3名)。手続は秘密とし、差止め・仮処分などは裁判所に直接請求できる通知の方法ごとに効力の発生時点を決め、重要な通知はメールだけでは効力を生じない。輸出管理の遵守義務と、違反の場合の解除事由を置く

ここに挙げた書類は、いずれも日本語で作られ、日本法を準拠法にしています。このページは、日本語の書面を日本法で作り、海外の相手に使うときの設計を扱います。英文の契約書そのものの作り方は扱いません。

準拠法と言語:選べるが、選んだだけでは足りない場面がある

契約の成立と効力は、当事者が契約のときに選んだ地の法によります(法の適用に関する通則法7条)。事業者どうしのNDAなら、日本法を準拠法に選べます。選ばなかったときは、契約に最も密接な関係がある地の法によるとされ(同法8条1項)、海外に住む相手と結んだ書面では、外国法が適用される余地が出ます。開示する側にとって、自分が書面を理解でき、日本の裁判所で争える法で統一しておくことの利益は大きいので、日本法を明記します。

事務所の書類の中には、準拠法の条に「国際私法の選択規定は適用しない」と付け加えた例があります。通則法41条(反致)は、当事者の本国法によるべき場合の規律で、7条で選んだ地の法による契約には働かないため、この一文は確認的な書き方と読めます。付け加えるかどうかで中身は変わりませんが、日本法が直接適用される、という当事者の意思を明確にする効果はあります。

選んだ準拠法に、当事者が強行規定の適用を求めることができる場合もあります。個人(消費者)と事業者の契約では、消費者の常居所地法の強行規定を適用すべき旨の意思表示が、事業者に対してなされたときに、その強行規定も適用されます(同法11条1項)。労働契約にも同様の特例があります(同法12条1項)。事業者として契約する講師や外注先とのNDAは、通常ここに当たりませんが、相手が消費者なのか労働者なのかが曖昧な書面(たとえば、雇用に近い関係の海外在住のスタッフ)では、この特例の対象になり得るため、相手の立場を先に確認します。

言語は、日本語を正文とし、翻訳版があっても解釈は日本語の原本による、と書きます。事務所の書類には、「日本語を正文とする」と短く書いた例と、翻訳版が作成されても正式な解釈は日本語原本に基づく、と書いた例があります。相手が日本語を十分に読めない場合は、英訳などを付けるとしても、あくまで参考訳とし、正文の解釈を日本語に固定します。そのうえで、相手が内容を理解したことを残すために、参考訳を渡した日と、「参考訳を受け取り、内容を確認した」旨の確認を、署名の前に取ります。署名の方法、時差の扱いは、後の章の実務で説明します。

日本の裁判所に専属させるか、仲裁にするか

紛争を解決する場は、大きく二つの選び方があります。一つは、日本の裁判所を専属の管轄にする方法で、当事者は、合意により、いずれの国の裁判所に訴えを提起できるかを定められます(民事訴訟法3条の7第1項)。合意は書面(電磁的記録を含む)でする必要があります(同条2項・3項)。ただし、消費者契約や個別労働関係の紛争を対象とする合意には制限があります(同条5項・6項)。もう一つは仲裁です。仲裁合意も書面(電磁的記録を含む)でし(仲裁法13条2項・4項)、仲裁合意の対象になる紛争について訴えが提起されると、被告の申立てにより、裁判所は訴えを却下しなければなりません(同法14条1項。仲裁合意が無効な場合などの例外があります)。

選ぶ際の分かれ目は、勝ったあとにどこで執行するかです。日本の裁判所の判決を相手の国で執行できるかどうかは、相手の国の法律が決めます。日本の法律が決めるのは逆向きで、外国の裁判所の確定判決が日本で効力を持つ条件です。民事訴訟法118条は、外国裁判所の裁判権が法令又は条約により認められること、敗訴の被告が呼出しや命令の送達(公示送達などを除く)を受けたこと又は応訴したこと、判決の内容と訴訟手続が日本の公序良俗に反しないこと、相互の保証があること、のすべてを求めています。これに対し、仲裁判断は、仲裁地が日本国内にあるかどうかを問わず確定判決と同一の効力を持ち、日本国内で民事執行をするには、裁判所の執行決定が必要です(仲裁法45条1項、46条1項)。外国で下された仲裁判断も、日本では同じ枠組みで扱われます。

裁判と仲裁の比べ方

観点日本の裁判所の専属管轄仲裁
向く場面相手が日本に事務所や財産を持つ、又は差止めの緊急性が高い相手の財産が国外にあり、相手の国での執行を考える。手続の秘密を重くみる
手続の公開原則として公開当事者の合意で秘密にできる(事務所の書類の基本契約も、手続と関連文書を秘密とした)
差止め・仮処分日本の裁判所に直接申し立てる仲裁の定めがあっても、緊急の差止め・仮処分は裁判所に請求できる、と例外を書く
費用裁判所に納める手数料と、代理人の費用仲裁機関と仲裁人の報酬などの費用がかかる。仲裁人を3名にすると、より重くなる
書面に書くこと専属の裁判所を特定する。仮処分・保全の申立ても含める仲裁機関、規則、仲裁地、仲裁人の数、言語、手続の秘密、裁判所への例外を書く

NDAは、秘密の漏えいを止める緊急の差止めが主な救済になることが多いため、事務所の書類のNDAでは、日本の裁判所の専属管轄を選んだ例が多く見られます。外資系の日本法人が結ぶNDAでは、保全の申立ても専属管轄に含め、そのうえで、差止命令や保全措置を第三国で講じる必要があるときは、その国の裁判所に直接請求できる、と定めました。漏えいされた情報が国外で使われそうなときに、日本の裁判所の判断を待たずに、情報が使われる国で動けるようにする条です。

一方、継続的な取引の基本契約では、段階的な協議のあと仲裁にした例があります。現場の担当者による協議、役員の協議、そして日本商事仲裁協会の規則による仲裁(仲裁人3名)の順です。ここでも、差止め、仮処分、強制履行その他の緊急の救済は、裁判所に直接請求できると例外を置いています。基本契約にこの仲裁の定めがあるときに、NDAの紛争解決をどう並べるかは、二つの秘密保持の優先関係と同じく、あらかじめ決めておきます。NDAだけ裁判所、基本契約は仲裁、とするなら、どちらの紛争が、どちらの場で争われるのかを、条文で線引きします。

通知・送達・署名:海外にいる相手に、書面を確実に届ける

海外に住む相手との契約では、通知がいつ効力を生じるかが、国内以上に重要になります。意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生じます(民法97条1項)。違反の是正を求める通知、解除の通知、返還の請求のいずれも、「到達した」ことを後で示せる必要があります。

事務所の書類の基本契約は、通知の方法を、直接手渡し、書留郵便、宅配便(配達証明付き)、電子メールの四つに分け、それぞれ、受領時、発送日から3営業日経過時、配達確認時、営業日中の送信完了時に、効力が生じるとしました。さらに、契約終了の通知や損害賠償請求などの法的な手続の前提になる重要な通知は、電子メール単独では効力を生じないものとし、四つの方法のどれかで正式に送り、参考としてメールの写しも送る、という二重の定めを置いています。NDAでも、違反の是正や削除の請求は同じ性質の通知なので、通知先の住所とメールアドレス、変更の方法を決めておきます。

訴訟になった場合の送達は、別の問題です。外国においてすべき書類の送達は、裁判長がその国の管轄官庁又はその国に駐在する日本の大使、公使若しくは領事に嘱託してします(民事訴訟法108条)。時間がかかる手続になり得ます。当事者は、訴えの提起後、書類の送達を受けるべき場所(日本国内に限る)を届け出る義務を負います(同法104条1項)が、これは訴訟が始まってからの定めです。契約で国内の送達受領者を定めても、裁判所が最初の訴状をそこへ送達してよいかは別の問題であり、確実とはいえません。契約で確実にできるのは、通知の到達の扱いと、連絡の体制までと考えておきます。

署名の方法は、電子契約が現実的です。事務所の書類の海外在住の運営者のNDAは、電子署名を使う電子契約で締結し、締結日を、双方の電子署名が完了した日と定めました。本人による電子署名が行われ、本人だけが行えるものであるときは、電磁的記録は真正に成立したものと推定されます(電子署名法3条)。紙の署名を郵送でやり取りするより、締結日が明確で、遅延も少なくなります。

時差と営業日も、条文に書き込みます。「24時間以内に報告」は、相手が時差のある地域にいても、24時間は24時間ですが、「営業日」「翌日」は、どの国の暦かで食い違います。報告や返還の期限は、日数で、日本時間を基準に、営業日を使うなら日本の営業日と書きます。

技術情報を海外の相手に渡すとき:輸出管理は、NDAの文言では変わらない

製品の設計、仕様、ソースコード、製造のノウハウといった技術情報を海外の取引先や外注先に渡す場合は、外国為替及び外国貿易法(外為法)による規制を考えます。同法25条1項は、国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の種類の貨物の設計、製造若しくは使用に係る技術(特定技術)を、特定の外国において提供することを目的とする取引や、特定国の非居住者に提供することを目的とする取引について、経済産業大臣の許可を求めています。どの技術が対象になるかは、外国為替令17条と別表で定められています。また、同法25条2項は、確実な実施を図るため必要があるときは、特定国以外の外国での提供等についても、許可を受ける義務を課すことができる、と定めています。貨物そのものの輸出は、外為法48条1項が許可を求める別の規制です。

ここで注意が要るのは、居住者と非居住者の区別です。居住者は、本邦内に住所又は居所を有する自然人と、本邦内に主たる事務所を有する法人で、それ以外が非居住者です(外為法6条1項5号・6号)。非居住者の本邦内の支店や出張所は、主たる事務所が外国にあっても居住者とみなされます(同項5号)。国籍ではなく、住所や居所で分かれます。海外に住む運営者や講師に資料を送ることは、典型的な非居住者への提供です。また、提供の方法は条文上限定されていません。図面の郵送、メールでの仕様の説明、クラウドの共有フォルダの公開は、いずれも提供の方法になり得ると考えて契約を作ります。

規制に当たるかどうかは、技術の内容と提供先の国で決まり、NDAの文言では変わりません。NDAでできるのは、規制を前提にした手順を決めておくことです。事務所の書類から、決め方が二つ見えます。

  • 基本契約の側(外資系のコンサルティング会社):輸出管理の法令の遵守義務を置き、日本の外為法等に加えて外国の輸出管理の法令も列挙した。規制される技術資料(管理対象情報)を提供する必要があるときは、事前に書面で協議して管理の方法を合意する。そのうえで、管理対象情報を自社の情報システムで受領・保存・複写・送信しないこと、輸出管理の法令や経済制裁の規制に違反する状態になったことを解除事由にすること、を定めている。
  • NDAの側(技術支援を受ける案件):秘密情報の国外への持出し、国外サーバへの保存、外国法人・外国所在者への開示を、事前の承諾にかからせた。そのうえで、輸出管理や外為法の該当性の判断義務を受け取る側に負わせず、判断と必要な対応は情報を出す側の責任とした。

情報を出す側の目で読むと、後者の線引きが大切です。情報を受け取る側が輸出管理の該当性まで判断する前提では、判断を誤ったときの責任の所在が曖昧になります。出す側が、渡す前に自分で判断し、該当するなら許可を得てから渡す、と手順を決めます。判断の手がかりは、経済産業省が公表している安全保障貿易管理のガイダンス(入門編)などの公的な資料と、外為法・外国為替令の別表です。

条文例

第○条(輸出管理)【一般的な書き方の一例】

1甲は、乙に技術情報を開示する前に、当該開示が外国為替及び外国貿易法その他の輸出管理に関する法令により許可その他の手続を要するかを確認する。許可その他の手続を要するときは、甲は、その手続が完了するまで、当該技術情報を開示しない。

2乙は、甲の事前の書面による承諾なく、秘密情報を、日本国外へ持ち出し、日本国外に所在するサーバに保存し、又は外国法人若しくは日本国外に所在する者に開示してはならない。

3前項の承諾を求めるときは、乙は、開示先の名称と所在国、開示する情報の範囲及び開示の目的を示す。

4乙は、第1項の手続を要する技術情報であることを甲から通知されたときは、その情報を、甲の指定する管理の方法によってのみ取り扱う。

5甲又は乙が輸出管理に関する法令に違反し、又は違反するおそれがあると認められるときは、相手方は、催告なく、本契約を解除し、又は秘密情報の開示を停止することができる。

第1項は、判断の責任を、技術を出す側に置いています。事務所の書類の条文ではなく、一般的な書き方の一例です。実際の該当性は、技術の内容と提供先の国によって決まります。

海外のクラウド・海外の再委託先への開示

国内の外注先が、海外のクラウドサービスを使って作業したり、海外の担当者に作業を再委託したりすることがあります。秘密情報が国外に出る経路が、契約の外で増えていきます。NDAでは、再委託先への開示と、国外への移転を、一つの手順で決めます。

個人データが含まれる場合は、法律の規制が加わります。個人データを外国にある第三者に提供するには、原則として、外国にある第三者への提供を認める旨の本人の同意が要ります(個人情報保護法28条1項)。この条は、委託の場合も対象で、委託の例外(27条5項)は引き継ぎません。受け取る側が、日本の法律の措置に相当する措置を継続的に講じる体制(基準の一つは、契約などで措置の実施が確保されていること。施行規則16条1号)を整えているときは、同意が不要になります。個人データの扱いを別の覚書で詳しく決める場合は、個人情報の取扱いに関する覚書の再委託の定めを参照してください。

また、相手が外国の事業者でも、日本国内にある者に物品や役務を提供し、その関連で日本国内の者を本人とする個人情報を外国で取り扱う場合には、日本の個人情報保護法が適用されます(同法171条)。海外に住む運営者が、日本の受講者の情報を扱う場合が、典型です。

事務所の書類には、AIエンジニアや個人の専門家とのNDAで、個人情報を、委託の目的に必要な範囲を超えて取得、利用、加工、複製、第三者への提供をせず、国外に移転しない、と定めた例があります。技術支援のNDAでは、国外サーバへの保存を事前の承諾にかからせたうえで、ただし、情報を出す側が別に承認したクラウドサービスの利用など合理的な必要性があるときは、この限りでない、という例外を置きました。海外のクラウドを使わせる必要がある業務で、許可の範囲を後から決められるようにしておく書き方です。

海外在住の運営者・講師・外注先と和文NDAを結ぶときの確認

ヒヤリングで確かめること書面をつくる前に

  1. 相手の住所は国外か。契約書に書く住所と、通知を受ける国内の連絡先は何か国外の住所を当事者欄に書いたうえで、通知はメールと国内の連絡先でも受けられるようにします。
  2. 相手は、事業者として契約するか、個人(消費者や労働者に近い立場)か通則法11条・12条の特例や、民事訴訟法3条の7第5項・6項の制限の対象にならないかを確かめます。
  3. 相手は、日本語を十分に読めるか読めないときは、参考訳を付け、「参考訳を受け取り、内容を確認した」旨を署名の前に取ります。日本語を正文とする条は変えません。
  4. 紛争の場は、日本の裁判所に専属させるか、仲裁にするか相手の財産がどこにあるか、差止めの緊急性、取引の継続性で選びます。
  5. 報告や返還の期限は、日本時間・日本の営業日で書けているか24時間以内の通知や、返還の日数が、時差で曖昧にならないようにします。
  6. 渡す情報に、技術の提供として規制を受けるものはあるか設計・製造・使用に係る技術情報があれば、渡す前の確認を条文にします。
  7. 相手は、海外のクラウドや再委託先を使うか国外への移転と国外サーバへの保存を、事前の承諾にかからせます。

事務所のヒヤリングシートには、契約書に表示する住所と、準拠法・管轄裁判所の希望を問う項目があります。希望がないときは、依頼者の所在地を管轄する裁判所とする形で提案します。

NDAの中身そのものである、秘密情報の定義、除外事由、存続期間、違約金の設計は、国内の相手と変わりません。それぞれ定義、除外事由、存続期間、違約金・損害賠償で説明しています。ただし、違約金を置くときは、相手の国の裁判所や仲裁で、その定めが認められるかを、あらかじめ想定しておきます。

起きがちなこと

よくあるご質問

海外に住む講師や外注先とのNDAは、英文で作る必要がありますか?

必ずしも必要ではありません。日本法を準拠法とし、日本語を正文とする書面を作り、相手が日本語を十分に読めないときは、参考訳を付けて、内容を確認した旨を署名の前に残す方法があります。正文の解釈を日本語に固定する条は、変えずに置きます。

海外在住の相手に、日本の裁判所で訴えることはできますか?

契約で日本の裁判所の専属管轄を合意しておけば、管轄の合意は有効に働きます(民事訴訟法3条の7)。ただし、訴状を外国で送達する手続には時間がかかり得ます。また、日本の判決を相手の国で執行できるかは、相手の国の法律によります。

紛争の解決は、裁判と仲裁のどちらにすべきですか?

秘密の漏えいを止める緊急の差止めが主な救済なら、日本の裁判所の専属管轄が合います。相手の財産が国外にあり、相手の国での執行を重くみるなら、仲裁を選ぶ余地があります。仲裁にする場合も、緊急の差止め・仮処分は裁判所に請求できると、例外を書きます。

技術情報を海外の取引先に見せるだけでも、輸出管理の対象になりますか?

外為法25条は、特定の技術を外国で提供する取引や、特定国の非居住者に提供する取引に許可を求めており、提供の方法は条文で限定されていません。対象になるかは、技術の内容と提供先の国で決まります。渡す前に、出す側が確認する手順をNDAに置きます。

相手が海外のクラウドを使う場合、何を決めておけばよいですか?

国外への持出し、国外サーバへの保存、外国の再委託先への開示を、事前の承諾にかからせます。個人データを含むなら、外国にある第三者への提供の規制(個人情報保護法28条)も確認し、委託契約などで措置の実施を確保します。

あわせて読みたいページ

本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、取引の内容や相手の立場によって結論が変わることがあります。事務所の改訂例・ご相談の事例として紹介している内容は、アトラス行政書士法人が作成・レビューしてきた秘密保持契約書(NDA)、守秘義務契約書、業務上の守秘義務誓約書、秘密保持を内包した業務委託契約書、共同研究契約書・覚書、試験委託のNDA、PoCの覚書などを、個別の事業者や案件が特定できない形に整理したものです。条文は e-Gov法令検索で確認しています(最終確認日:2026年10月20日)。参考: e-Gov法令検索 / 個人情報保護委員会

アトラス行政書士法人|毎日5組限定契約書・利用規約の無料チェックお手元の書類の問題点を、行政書士が詳しく指摘します。1書類につき24時間以内に回答・お1人様3種類まで無料チェックの詳細を見る›

ご依頼の前に:対応の内容

詳しい内容を見る

NDA・守秘義務誓約書でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

公式LINEで無料相談する
アトラス行政書士法人 公式LINEの友だち追加QRコード
  1. 公式LINEを友だち追加
  2. 「NDA・守秘義務誓約書ガイドを見た」とメッセージを送信
  3. ご相談内容を確認し、LINEでご返信します(365日・深夜や休祭日も通常対応)

相談無料です。料金が発生するのは、お申込みいただいた書類の作成・点検だけです。

LINEで友だち追加して無料相談する

申込フォーム・お電話でもご相談いただけます。

ご依頼・納品の流れを見る