このページの要点
- 秘密情報は、デベロッパー名、案件、土地、価格、図面、CADデータ、ボリューム計算方法、見積書のように建設の言葉で列挙し、派生情報まで含める。
- 元請や発注元から負う守秘義務は外注先に流し込み、元請との単価・原価、発注元・二次会社の情報は期間を切らない。
- 現場管理アプリのアカウントは専用に発行して共有を禁じ、保存場所を限る。提携先とは相互か一方向かを情報の流れから選ぶ。
- 相手方の書式は、前文は相互なのに本文が一方向、という体裁のずれを点検する。内包か独立かは、取引の継続と見積り段階の開示で決める。
結論:建設の言葉で秘密情報を並べ、元請や発注元から負う守秘義務を外注先まで流し込む
建設、設計、不動産開発の仕事では、図面、CADデータ、土地の情報、元請との契約単価、発注者の名前といった、漏れると取引そのものが壊れる情報を、一級建築士、地盤調査の会社、技術顧問、見積りの作成を手伝う外注先など、さまざまな相手に渡します。このページは、そうした外注先や提携先に情報を出す側が、秘密保持契約書(NDA)に何を書くかを整理します。
事務所の書類から見えてくる結論は、次の四つです。①秘密情報を「営業上又は技術上の情報」とは書かず、デベロッパー名、案件情報、土地情報、価格情報、図面、CADデータ、ボリューム計算方法、見積書というように、建設の現場の言葉で列挙し、それらを基に作った分析資料や加工情報(派生情報)まで含めること。②自社が元請や発注元に負っている守秘義務を、外注先にも同じ強さで流し込み、発注元や二次会社の情報、元請との単価は期間を切らないこと。③現場の写真、日報、アカウントを、保存場所とアクセスの方法まで決めること。④提携先とのNDAは、相互にするか一方向にするかを情報の流れから選び、相手方の書式は「相互の体裁で本文は一方向」になっていないかを点検すること。
NDAを業務委託契約の中に内包させるか、独立した一通にするかはNDAをどの形で結ぶかで整理しています。このページでは、建設分野で内包を選んだ事例を、その判断の材料として後の節で扱います。
秘密情報を建設・不動産開発の言葉で並べる
秘密情報の定義が「甲が乙に開示する一切の情報」のように抽象的だと、外注先の現場の担当者は、自分が見ているものが対象かどうか分かりません。建設分野では、とくに次のような情報が、案件ごとに行き来します。事務所が建築のボリューム(建てられる建物の大きさ)の検討を外注する場面で作成したNDAでは、定義の中に、次のように並べました。
建築ボリューム検討業務のNDAで列挙した秘密情報の類型
| 類型 | 列挙した情報 | 外注先の現場で想定される場面 |
|---|---|---|
| 顧客・案件 | デベロッパー名その他の顧客に関する情報、案件情報、事業計画、顧客情報 | 発注元の名前を雑談や実績紹介で出してしまう |
| 土地・価格 | 土地情報、価格情報 | 土地の所在や売買の価格が、他の案件の相談で話題になる |
| 図面・設計 | 図面、設計資料、CADデータ | データを個人の端末に残したまま次の仕事に使う |
| 計算・解析 | ボリューム計算方法、解析データ、ノウハウ、営業手法 | 計算の手順や条件が、他社の検討で再現される |
| 営業・見積り | 営業資料、見積書 | 見積書の単価が、取引先同士で比較に使われる |
| 派生情報 | 上記を基に作成された分析資料、加工情報、派生情報 | 自社の情報を加工して作った資料が、元の情報とは別物として扱われる |
これらは、秘密である旨の表示の有無を問わず秘密情報とする、という一文とセットで置いています。現場で図面や口頭の指示に、いちいち『秘密』と表示を付ける運用はまずないためです(表示方式と包括方式の違いは秘密情報の定義(1))。
列挙は、建設業の取引構造に合わせて組み替えます。元請から仕事を受けて、その一部を協力会社に出すなら、「元請との契約単価、見積りの根拠、原価その他の利益率に関する情報」を一つの類型として独立させます。遠隔で現場の安全管理を支援する業務のNDAでは、これを最初に挙げ、さらに現場情報(工程)、協力業者・取引先の情報、現場の作業員など関係者の情報、そして現場管理のアカウントやパスワードなどの認証情報を、続けて挙げています。契約の存在そのもの、条件、履行状況も秘密情報に入れます。1類型に具体語を8〜12個並べる考え方は業種の言葉で列挙するに詳しく書きました。
不動産の取引に関わる会社には、法律上の守秘義務もあります。宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならず、業を営まなくなった後も同じです(宅地建物取引業法45条)。使用人その他の従業者にも、業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らしてはならない義務があります(同法75条の3)。ただ、これは業者や従業者に向けた規定です。外注先が従業者に当たるかどうかは関係の実態によりますし、何を、どの範囲で、いつまで守るかまでは、法律は決めてくれません。法定の義務があるからNDAが要らない、とはならず、NDAで具体的な範囲、期間、返還の方法を決めておきます。
図面については、もう一つ整理しておくことがあります。著作権法は、建築の著作物と、学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物を、保護される著作物の例として挙げています(同法10条1項5号・6号)。けれども、図面に著作権があるかどうかは、秘密として守るかどうかとは別の話です。NDAでは、「秘密情報の開示は、所有権、著作権、営業秘密その他一切の権利の譲渡や使用許諾を意味せず、外注先は目的の範囲を超えて利用する権利を取得しない」と書き、派生情報も同じ扱いにします。
元請・発注元から負う守秘義務を、外注先に流し込む
建設の取引は、発注元、元請、協力会社と、何段にも重なります。自社がその途中にいるなら、自社は上流に守秘義務を負い、下流にも守らせる立場です。上流に負っている義務より弱い約束しか下流と結んでいなければ、下流からの漏えいは、自社が上流に対して責任を負うことになります。
建設の取引で守秘義務が流れていく段
自社の上の段に負っている義務と、下の段に課す義務の強さをそろえます。
地盤調査報告書の照査(報告書の内容を確認する業務)を外注する契約では、事務所は、業務委託契約の中に秘密保持を十か条作り込みました。そのなかで、秘密情報の類型として、対象報告書・調査データ、発注元に関する情報、二次会社(発注元と元請の間などに入る会社)に関する情報、委託者の営業上・技術上・業務上の情報、契約の存在と内容の五つを挙げています。存続期間は、契約の終了後5年を原則としつつ、営業秘密と、発注元・二次会社に関する情報は期間の定めなしにしました。契約が解除・取消し・無効になった場合も秘密保持の義務は消えない、とも明記しています。元請との契約単価、見積りの根拠、原価を期間なしで守らせた遠隔の安全管理業務のNDAとあわせて、取引の構造そのものが競争上の価値を持つ建設の分野では、年数で区切らない情報を類型ごとに決める、という方針です(期間の考え方は存続期間の設計)。
第○条(発注元等に関する情報の取扱い)
1乙は、甲が発注元その他の第三者に対して負う守秘義務の内容を、甲から通知された範囲で遵守しなければならない。
2発注元及び二次会社(甲と発注元との間に介在する会社をいう。)に関する情報は、第○条(存続期間)の定めにかかわらず、期間の定めなく秘密情報として取り扱う。
3乙は、甲の事前の書面又は電磁的方法による承諾なく、前項の情報を実績として公表してはならない。
第1項で『甲から通知された範囲で』と限定するのは、外注先が、自分の知らない上流の契約の内容まで負担することにならないようにするためです。
再委託の取扱いも同じ考え方で整理します。外注先がさらに別の人に作業を任せるなら、あらかじめ書面などで承諾を得ることとし、再委託先に同等以上の義務を課して、外注先がその行為について全責任を負う形にします。再委託の承諾は、メールなど内容が記録に残る方法に限ると、後で確認できます。なお、建設業者が請け負った建設工事を丸ごと他人に請け負わせること(一括下請負)は、建設業法22条1項が原則として禁じており(発注者の書面による承諾などの例外もあります。同条3項)、NDAで再委託を承諾するかどうかとは別の問題です。
現場管理アプリのアカウント、写真、日報の扱い
現場の仕事を外注するときに、実際に情報が動くのは、メールで送る図面よりも、現場管理のアプリやクラウドの共有フォルダの中であることが少なくありません。工事日報、作業指示書、危険予知の記録、現場の写真が、アカウントを通じて見られる状態になるからです。事務所が遠隔の安全管理支援の外注についてヒヤリングを行ったときは、外注先がアプリにどう入るのか(委託者のIDとパスワードを共有するのか、外注先を招待して専用のアカウントを発行するのか)、また外注先に事務作業を任せることについて、元請への報告や承諾が必要な取決めがあるかを、最初の方の質問として確かめました。
ヒヤリングで確かめること現場情報と認証情報についてのヒヤリング
- 外注先は、現場管理アプリに、どのアカウントで入るかIDとパスワードの共有は、誰が何をしたかの記録が残らず、終了後の権限の取消しも難しい。招待による専用アカウントを基本に置く
- 外注先に事務作業を任せることを、元請に報告する必要があるか元請との契約や現場のルールに、外注の報告・承諾の定めがあれば、NDAの再委託の条と合わせる
- 外注先は、私物の端末や個人のクラウドで作業するか保存場所を、委託者が用意する共有フォルダなど、あらかじめ合意した環境に限る。端末での一時的な閲覧・編集は認め、不要になれば速やかに削除させる
- 外注先の実績として、現場の支援を公表してよいか社名や現場を特定できない範囲に限る。導入事例のような掲載は個別に承諾
- 現場の作業員や職人の氏名・出面などの個人情報を扱うか個人情報は表示を問わず秘密情報とし、目的の範囲で最小限に扱う。委託先の監督は個人情報保護法25条の問題にもなる
第○条(保存場所及びアカウントの管理)
1乙は、秘密情報を、甲が用意する共有フォルダその他甲乙があらかじめ合意する環境において保存し、管理する。ただし、本業務の遂行に必要な範囲で、乙が使用する機器において秘密情報を一時的に閲覧し、編集し、又は確認することを妨げない。
2乙は、前項ただし書により秘密情報を一時的に取り扱う場合、これを第三者と共有してはならず、不要となったときは、当該機器に保存された秘密情報を速やかに削除する。
3乙は、甲が付与するアプリ、クラウドその他のアカウント、ID、パスワードその他の認証情報を、第三者に使用させ、共有し、又は転送してはならず、本契約の終了時に、甲の指示に従って返上する。
事務所が遠隔の安全管理業務のNDAで組んだ条の考え方です。保存場所を決めておけば、返還・削除の対象も特定できます(撮影・SNS・アカウント、返還・廃棄・証明)。
外注先が個人事業者で、家族に事務を手伝ってもらう実態があるなら、家族への開示を禁止するのではなく、「本目的に必要な最小限の範囲で、自己の家族その他秘密情報を知る必要のある者に開示でき、その者に同等以上の義務を負わせ、その行為について自己の行為と同一の責任を負う」という条件付きの許容にする書き方もあります。業務の実態に合わない禁止は、守られないまま形だけの条項になるためです。現場の作業員の氏名など個人情報が含まれる場合は、個人情報保護法の委託先の監督(同法25条)にも触れます。さらに、文章の作成や翻訳のために生成AIに現場の情報を入れる場面は、事前の承諾とマスキングを組み合わせて定めました(生成AIへの入力)。
提携先とのNDA:地盤調査会社、一級建築士、技術顧問候補
建設系の事業では、地盤調査の会社と業務提携する、一級建築士に検討を頼む、技術顧問を迎える、といった形で、外部の専門家と情報をやり取りします。ここで迷うのが、NDAを相互にするか、一方向にするかです。事務所の書類を並べると、情報の流れと相手の立場で、次のように選んでいます。
建設系の外注・提携のNDAを並べて見る
| 場面 | NDAの向き | 特徴的な条 |
|---|---|---|
| 建築ボリューム検討業務の外注 | 委託者の情報を相手が守る一方向 | 再委託先への開示は事前承諾。違反による損害に、営業上の損失、信用の毀損、機会の損失、第三者対応の費用を含める。期間の定めなく存続。相手の欄に一級建築士の登録番号 |
| 見積比較表の作成の外注 | 委託者の情報を相手が守る一方向 | 秘密情報に見積書、見積比較表、価格・原価・利益の情報を列挙。外部記録媒体やクラウドへの保存を原則禁止。直接取引の禁止も同じ書面に置き、違反には違約罰を定める |
| 業務提携と地盤調査事業の協力 | 相互 | 地盤調査資料、工法に関する情報、構造・設備の設計資料、利益配分の条件を列挙。顧客の引抜きや直接取引を、目的外利用として禁じる |
| 遠隔の安全管理支援の外注 | 開示者と受領者を情報ごとに決める相互の形 | 元請との契約単価・見積根拠・原価、現場情報、協力業者の情報、関係者の情報、認証情報などを列挙。存続は終了後5年を原則とし、元請との契約単価・見積根拠・原価と営業秘密は期間の定めなく存続。家族への開示は条件付きで許容 |
見積比較表の外注では、違約罰を『損害賠償額の予定ではない』と明記し、別に実損の賠償も請求できる形にしています。民法は違約金を賠償額の予定と推定します(420条3項)ので、違約罰にするなら、そう書いておく必要があります。
相互にするのは、相手からも情報が出てくる場合です。業務提携のように、地盤調査の資料や工法の情報を相手が出し、こちらが顧客や単価の情報を出す関係なら、双方が義務を負う形が実態に合います。一方、外注先が作業をするだけで、情報はこちらからしか出ないなら、一方向のほうが条文が短くなり、除外事由や存続期間の争点も減ります。ヒヤリングでは「秘密を守る義務は、お互いに負う形(お相手のノウハウ等も貴社が守る)と、貴社の情報だけを守ってもらう形のどちらにしますか」と尋ねています。
提携先とのNDAで、出す側と受け取る側が見る点
出す側(開示者)の設計
- 元請との単価、原価、利益率は、秘密情報の最上位に置き、期間を切らない
- 顧客や協力会社への営業・引抜き・直接取引は、目的外利用の一類型として名指しで禁じる
- 相手の実績としての公表は、社名・現場を出さない範囲に限る
受け取る側(受領者)の点検
- 自分の資格や登録に基づく守秘義務、公的機関への開示義務と矛盾しない例外が置かれているか
- 除外事由に当たることの立証の責任が、受領者だけに重く課されていないか
- 直接取引の禁止が、既存の取引先や自分で獲得した顧客まで縛っていないか、期間が長すぎないか
受け取る側の詳しい点検は、ここでは対比にとどめます。
内包か独立か、相手方の書式に「相互の体裁」の穴はないか
地盤調査報告書の照査の外注では、依頼は当初「業務委託契約書と秘密保持契約書の2通、必要最低限の簡易版」でした。事務所は、NDAを独立した一通にせず、1通の業務委託契約書の中に、秘密保持を十か条の本格NDA水準で組み込む構成を選びました。書類が1通で完結し、締結や保管の手間が減るためです。ただし、説明書では、内包の形が独立NDAより弱くなる点を九つ整理しました。契約の終了や解除、無効と秘密保持が運命を共にしないか、締結前に見積りの段階で開示した情報が守られるか、秘密保持の部分だけを第三者に見せようとすると委託料の条件まで見えてしまわないか、などです。そのうえで、独立NDAを併用したほうがよい場面として、取引が継続・拡大していく見込みが強い場合、発注元などから秘密保持の体制を示す書面を求められるおそれがある場合、見積りの段階で発注元や二次会社の情報を開示する場合を挙げました。
建設の取引は、見積りの段階で発注元の情報を出す場面が多いので、内包の形を選ぶ場合でも、締結前に開示した情報も遡って秘密情報に含める旨を置き、必要なら先行して独立NDAを結びます(NDAをどの形で結ぶか)。
最後に、設計やBIM(建物の三次元のモデルに情報を持たせて設計する方法)を扱う会社などから、相手方の書式でNDAが示されることがあります。事務所が点検した、CADとBIMの業務に関する相手方書式のNDAには、前文と目的の条では「相互に開示される秘密情報」としているのに、除外事由や使用制限の条は「甲から開示を受けた」「乙は」と、一方向で書かれていると読める箇所がありました。前文が相互なら、自社が開示する側にも、相手に守らせる条が働くはずですが、本文が一方向だと、そのつもりで署名すると、自社が守る側の義務だけが生き、守らせる側の義務が機能しない、という事態になり得ます。
事務所の改訂例 相互の体裁と一方向の本文
前文と本文の向き
前文と本文の向きを一致させ、自社が出す情報にも義務が働くようにするため。
秘密情報の範囲
図面や口頭の指示に表示を付ける運用がなく、表示方式では守りたい情報が外れるため。
ヒヤリングで確かめること、起きがちなこと
ヒヤリングで確かめること建設・設計・不動産開発の外注NDAで、最初に確かめること
- 渡す情報の出どころは、自社か、発注元か、元請か上流に負っている守秘義務の強さと期間を、外注先に流し込む設計にする
- 渡す情報に、図面・CADデータ・土地情報・単価・原価のどれが含まれるか類型ごとに期間と返還の扱いを分ける。単価・原価と発注元の情報は期間を切らない
- 外注先は一人か、従業員や家族が手伝うか開示できる人の範囲と、同等の義務、責任の所在を決める
- 現場管理アプリやクラウドのアカウントを、外注先に渡すか招待による専用アカウント、保存場所の限定、終了時の返上と権限の削除を決める
- 見積りの段階で情報を出すか内包の形でも遡及を置くか、独立NDAを先に結ぶかを決める
- 相手の実績として、取引の事実を公表してよいか社名・現場が特定されない範囲に限るか、禁止するかを決める
よくあるご質問
宅建業者は法律上の守秘義務を負っているのに、外注先とのNDAは必要ですか?
必要です。宅地建物取引業法45条は、業者が業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らすことを禁じていますが、同法75条の3の対象は使用人その他の従業者で、外注先がこれに当たるかは関係の実態によります。そもそも何を、どの範囲で、いつまで守り、終了時にどう返すかは、法律は決めていません。NDAで具体的に定めます。
図面に著作権があれば、NDAを結ばなくても守れますか?
守れません。図面が著作物に当たるとしても、著作権が守るのは表現のコピーなどで、渡した内容を使って別の案件の検討をすることまでは止められません。NDAで、秘密情報の範囲、目的外利用の禁止、派生情報の扱い、返還・削除を定め、開示が権利の譲渡や使用許諾を意味しないことも書いておきます。
元請に負っている守秘義務の内容を、外注先に全部見せる必要がありますか?
全部を見せる必要はありません。NDAには、元請から通知された範囲の守秘義務を外注先が遵守する、という形で書き、元請との契約の中身は、必要な範囲だけを通知します。元請との契約単価などを外注先に見せる場合は、その情報自体を最上位の秘密情報にして、期間を切りません。
現場管理アプリのアカウントは、外注先とIDを共有してもよいですか?
共有は勧めません。誰が操作したかの記録が残りにくく、契約が終わった後の権限の取消しも難しくなります。外注先を招待して専用のアカウントを発行し、認証情報を第三者に使わせない、終了時に返上する、という条を置くのが基本です。
業務委託契約書の中に秘密保持を入れれば、別にNDAを結ばなくてよいですか?
取引が一つの案件で、見積りの段階で情報を出さないなら、内包で足りることがあります。ただ、契約の終了と同時に義務が消えたと読まれないこと、締結前の情報が守られること、発注元から体制を示す書面を求められたときに秘密保持の部分だけを示せることなどを考えると、取引が続く見込みが強い場合は、独立NDAを併用する方法があります。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、取引の内容や相手の立場によって結論が変わることがあります。事務所の改訂例・ご相談の事例として紹介している内容は、アトラス行政書士法人が作成・レビューしてきた秘密保持契約書(NDA)、守秘義務契約書、業務上の守秘義務誓約書、秘密保持を内包した業務委託契約書、共同研究契約書・覚書、試験委託のNDA、PoCの覚書などを、個別の事業者や案件が特定できない形に整理したものです。条文は e-Gov法令検索で確認しています(最終確認日:2026年10月20日)。参考: e-Gov法令検索 / 個人情報保護委員会